父のがんに最初に気づいたのは5歳の息子でした|がん予防を調べ始めた理由

健康の話は、情報が多すぎて、どこから手をつけていいか分からなくなります。

がん予防と言われても、毎日の暮らしの中で何を選べばいいのか。

調べるほど言っていることが違って、결局そのまま、という方も多いと思います。

この記事では、ノウハウはお伝えしません。

僕がなぜ、細胞や生活習慣の話を続けているのか。

その出発点になった、家族の出来事だけを書きます。

読んでいただくと、これから僕がお伝えしていく情報を、どんな立場の人間が書いているのかが分かるはずです。

父のがんに最初に気づいたのは、当時5歳の息子の一言でした

「じいじ、なんて言ってるかわかんない!」

家族で集まっていたときの、何気ない一言でした。

大人は誰も、気に留めていませんでした。

少し声がかすれているな、風邪でも引いたのかな。

その程度に思っていたのです。子どもの耳のほうが、正直だったのだと思います。

検査の結果、父は咽頭がんでした。

のどにできるがんで、声の変化が早い段階のサインとして挙げられることがあると言われています。

ただ、これは後から知ったことです。そのときの僕には、何の知識もありませんでした。

手術のあと、父は声を失いました

手術を受け、その後、食道にも転移が見つかりました。

父は声を失いました。170センチの体は、48キロまで落ちました。

麺類をすする、という当たり前の動作ができなくなりました。

治療そのものは、お医者さんが力を尽くしてくださいました。

医療がなければ、父は今ここにいません。それは今も変わらない事実です。

ただ、僕の中には、行き場のない問いだけが残りました。

あの声のかすれの、もっと手前。10年、20年という時間の中で、家族として何かできたことはなかったのだろうか、と。

病気になってからでは聞けないことがある、と気づきました

そこで僕は、お医者さんに聞いてみました。

どうすれば、こうならずに済んだのでしょうか、と。

返ってきたのは「バランスよく食べていれば大丈夫ですよ」という言葉でした。

今なら分かります。

あれは、不親切だったのではありません。

お医者さんは、病気を治すプロフェッショナルです。

そして僕たちは、病気になってからしか、お医者さんに会えません。

「なぜこの体質になったのか」

「どんな生活習慣が積み重なったのか」

を一緒に振り返る時間は、診察室の中には、そもそも用意されていないのです。

役割が違う。それだけのことでした。

だからその手前は、自分たちで考えるしかない。

そう思って、僕は調べ始めました。

夜は論文を探し、休日は図書館で医学書を読む。

気づけば10年以上が経っていました。

その中で分かってきたのは、食事や運動、睡眠、たばこ、お酒といった生活習慣が、がんのリスクと関連していると考えられている、ということです。

もちろん、生活習慣を整えればがんにならない、という話ではありません。

そう言い切れる人は、どこにもいません。

それでも、自分たちの手で選べる部分が確かにある、というのは、当時の僕にとって救いでした。

だから僕は、細胞の側から健康情報を訳しています

健康情報は、難しい言葉のまま置かれていることが多いと感じます。

抗酸化、代謝、炎症。どれも大事な話なのに、そのままでは、明日のスーパーで何を買うかにはつながりません。

だから僕は、体の中で働いている細胞の側から、それを毎日の言葉に訳すことにしました。

今日の一食、今日の眠り方。そこまで下ろせて、はじめて情報は使えるものになると思っています。

できていないことを責めるつもりは、まったくありません。

僕自身、父のことがあるまで、何ひとつ知らなかった人間です。

そして、検査や治療は、必ず専門家と進めてください。

それは僕の役割ではありません。僕がお伝えできるのは、その手前にある、家族の毎日の暮らしの部分だけです。

あのとき、息子の一言に大人の誰かが気づけていたら。

そう思う家族が、少しでも減ればいい。

それが、この発信を続けている理由です。

日々の小さな工夫は、オープンチャット「がん予防のためのライフハック術」でも少しずつお話ししています。

ぜひ、のぞいてみてください。